e-kagaku Satellite Project
2025年2月1日 打ち上げ予定
プロジェクト概要
世界初のジュニア衛星プロジェクト
e-kagaku Satellite Project (以下eSP)は、JAXAとe-kagakuが共同研究として「超小型衛星に世界で初めてレーザー反射装置を搭載し、世界のレーザーサイトと協力して正確な軌道を求める」中高生が主体のクラブ活動です。
2020年4月:衛星打ち上げについて、三井物産エアロスペース社と正式契約
2022年5月:第1フェーズ BBMの試作に成功
2022年7月:JAXAと共同研究協定を締結
2023年12月:EM試験終了
2024年2月:FM(フライト モデル)製作、FM試験
2025年2月:アメリカより打ち上げ予定
この成果は、宇宙ゴミの軌道解析などの社会実証実験としてだけでなく、「衛星を打ち上げること」に必要な技術や法律、手続きを学ぶ宇宙時代で活躍する人材育成につながるものと期待しています。
このプロジェクトは人材育成の視点でも大きなチャレンジを行っています。
・活動メンバーの構成は小・中・高校生・大学生で、知識レベルが違うこと
・活動メンバーの居住地や所属する大学、学校がみな異なること
これは、ICT人材育成を全国どこでも実施できることを証明するものであり、地域格差・経済格差を解消する起爆剤になると考えています。
eSPは、単純な疑問からスタートしました。今から50年ほど前1969年アポロ11号によって、人類は初めて地球以外の星に降り立ちました。その3年後1972年ミュンヘンオリンピックの鉄棒で、塚原選手はムーンサルト(月面宙返り)を世界で初めて成功させ、金メダルを獲得しました。
この科学とスポーツの「世界初」は、少なくとも現在の日本において大きな違いがあります。50年前世界で一人しかできなかったムーンサルトは、ジュニアの体操教室で女子小学生が床運動で行っています。世界を狙うジュニアには「できて当然」なのでしょう。ではなぜ小学生の自由研究を宇宙で行おうとしないのでしょうか。LEDとリチウム電池が当たり前で、3Dプリンターやプログラミングはもはや「できて当然」と考えている海外のジュニアと協働しなさいと言いながら、ジュニアにはいまだに豆電球と乾電池、おもちゃのようなプログラミングしか与えません。
12歳の小学6年生はわずか6年で大学生となり、10年で社会人になります。我々e-kagakuは、スポーツと同じように最初から大人と同じ道具で同じチャレンジができる環境を整え、教育界と経済界をつないだ一貫した人材育成を行っています。2019年にホームセンターとネットで買えるものだけで、小・中学生23名が成層圏探査に成功しました。このeSPは、その成果を基にさらに発展させた世界初の人材育成プロジェクトです。
eSPは2020年からスタートし、6名の大学生36名の小・中・高校生が取り組んでいます。彼らは年齢ではなく、Space Robot Contest(文部科学省・経済産業省・総務省後援)で能力を証明して参加資格を得た者たちで構成されています。2022年5月にBBM(ブレッドモードモデル)の作成に成功、2023年12月にはEM(エンジニアリングモデル)の試験完了を受け、いよいよ最終の第3フェーズに入り衛星本体を完成させます。
いうまでもなく、彼らが社会に出る10年後に宇宙産業は数百億ドルから数兆ドルの市場といわれていますが、その時に必要となるのはハードだけでなく、データサイエンティストや宇宙保険などソフトの担い手です。e-kagakuは10年後に必要なスキルを念頭に、チャレンジを作っています。